顎関節症

顎関節症の症状・診断

顎関節症の主な症状は「顎が痛い」「口が開かない」「カクカク音がする」などですが、全身の症状を訴えたり、「噛み合わせが急に変わった」など特殊な訴えも時に聞かれます。
顎関節症で多く見られるのは、顎関節の骨と骨のあいだにある関節円板というクッションの位置がずれていて、いろいろな症状が起こっている場合ですが、あごの筋肉の問題や、関節の軟骨の問題など、さまざまなパターンがあります。
顎関節症を引き起こす原因や誘因はひとつではなく、さまざまなものがあります。なかでも食いしばり歯ぎしりなどの癖による部分は、かなり大きいと考えられます。精神的な問題、神経生理学問題、かみ合わせの問題、筋肉そのものの問題、全身の病気や状態の問題が絡み合い、また、極端な例では、交通事故でハンドルに顎をぶつけ、外傷性の顎関節症になるという場合もあります。これらの絡み合いを解きほぐしながら一つひとつ診断し解決していくのです。
統計学的に見ると発症年齢は20歳前後がピークですが、お子さんから年配の方まで幅広い年齢層で見受けられるものです。

顎関節治療で重要なこと

顎関節や筋肉の異常の改善、原因や誘因の除去、自己による管理などが必要になりますが、原因の絡み合いを一つひとつ解きほぐしていかなければなりません。

当院の顎関節治療

マニピュレーション

関節の中がずれて、引っかかってお口が開かないときは、手であごを操作してパカッとお口を開けられる場合もあります。

食いしばり癖の解消

顎関節症の治療のなかで、食いしばりのコントロールがかなり重要です。そのためには食いしばりのような癖に気づいてもらい、それを上手にコントロールできるよう練習することです。
リラックスした状態では、上あごの歯と下あごの歯はですが離れています。食いしばりの癖がある人は、知らない間に食いしばり始めるのですが、一度食いしばり始めると食いしばり続けてしまう神経の反射があります。噛むと刺激が歯の歯根膜の神経から顎の筋肉に伝わり、筋肉に力が入ります。力が入ると歯への刺激が強くなり、また力が入るというように自分の意志に関係なく食いしばり続けてしまうのです。
まずは歯と歯がくっついている状態に気づいたら、歯を離すように心がけます。肩の力を抜いてあごの力も抜くと顎の重みで歯が離れます、気がついたらすぐに実行しましょう。
また、寝ている間の歯ぎしり食いしばりが顎関節症を治りにくくしている場合もあります。昼間の食いしばりの癖と違い、こちらは意識的にコントロールできないため、ナイトガードやスプリント(マウスピース)を装着し、食いしばりそのものや、食いしばりの影響を軽減する場合もありますし、ストレスのコントロールが重要になることもあります。

スプリント治療

治療に使われるスプリントは一見どれも同じに見えますが、実はたくさんの種類があり、使い方によって関節にかかる力を減らしたり、位置をずらしたり、噛み合わせの癖をなくしたりすることができます。それをあごの状態に合わせて、また治り具合に合わせて使っていきます。
2~3日で効果が出ることもあれば、何か月もかかる場合もあります。

その他の治療法

顎関節症の治療法は単一ではありません。
薬剤を使うこともあれば、精神療法が必要になることもあります。
また、成長、発育の影響で、あるいは以前の歯科治療に関連して、顎関節の位置と噛み合わせが合っていないことが疑われる場合もあり、慎重な対処が必要になります。

顎関節治療に対して心がけていること

正しい診断と正しい治療法が必要なのはもちろんですが、患者さんにご自分の関節の状態と治療の目的を理解していただくことが重要です。最終的には、再発しないようご自分で管理できることが目標になります。
丁寧な説明と治療の経験を通じて、患者さんご自身が正しい知識を得て理解していただくことが大切なのです。